スイス ヨーロッパ旅

スイスのフランス語圏を旅した話

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今回のお話はスイス連邦チューリッヒ在住(ドイツ語圏)だった熊太郎一家が、初めてフランス語圏を訪問した時の話です。
訪問したのは、2013年5月ですので、表示されている価格や情報が現在のものを異なる場合があります。
その点ご注意ください。
熊太郎家はいつもの如くチューリッヒから弾丸日帰り旅を敢行していますが、余裕を持って1〜2泊することをオススメします。

スイスの公用語は4つ

今回の旅の目的はドイツ語圏以外のスイスを当時小学生&中学生だった子供達に経験させたかったこと。

よくさ、社会の時間でやったでしょ? スイスの公用語は4つあって、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語ってさ。でもドイツ語圏のチューリッヒエリアにいるとあまりフランス語やイタリア語を聞かないんだよね。

ちなみにスイスの言語割合、ドイツ語62.6%、フランス語22.9%、イタリア語8.2%、ロマンシュ語0.5%です。(2014年スイス連邦統計局データより)

フランス語圏、スイスの西側、ジュネーブがある地域に行くにあたり訪問したかったのはモントルー近くあるシヨン城。20年以上前に訪問したことはあるのですが、中に入った事がなかった。

モントルーはレマン湖畔、ジュネーブに近いところに位置する街

シヨン城、CHILLONと書いてシヨンと日本語では読む。でもスイス人にシヨンと言っても通じなかった。スイスの地名Sionと間違われたり。。。

チロンって発音した方が通じたような気がする。

レマン湖畔に佇むお城シヨン城。城というよりは歴史からすれば牢獄に近い時代もあったようなこのお城。

と言うことでここを目的地として日帰り旅行してみた話です。

スイスとミュージシャン松岡直也

シヨン城を語るにあたり熊太郎的に外せないのは松岡直也のChillon-welcomeというこの曲である。

この地を題材にした曲Chillon-welcome、ラテンフージョン系ミュージシャンの松岡直也は1980年代前半、有名なモントルージャズフェスに出演、その前後にこの曲を作ったと記憶している。

松岡直也は一般的には中森明菜のミ・アモーレの作曲家であるとか、ハートカクテルのBGMとかで有名かと思います。その松岡氏も2014年に亡くなってしまいました。残念。

シヨン城入り口

熊太郎撮影のシヨン城

スイス国鉄の在住者向け割引制度

さてこういったスイス国内電車旅に置いて威力を発揮するのは、在住者向けの割引制度である。

在住者には特別な年間パスを購入する事ができる。

まずは「GAカード」。これを購入すると1年間乗り放題。つまりタダである。

銀河鉄道999のアンドロメダ行きパスのようなものだ。

ただしお値段も結構なもんで2等車で3,860CHF(2023年現在)
為替が円安に振れているから日本円で60万円近い。スイス在住時2013年ごろは40万円程度だったのに。
電車通勤している人が「どうせなら全線パスを買うか」と思って買っているケースや頻繁に利用する老人が持っていたりする。

フルプライスでチューリッヒ−ジュネーブが片道88CHF(2023年)なので損益分岐点は22往復である。年間22往復。できるかなぁ。

毎週ハイキングするような人だったら持っていて得かもしれない。

次に半額カード。英語名でHalf-fare card 現地語でHalbtax。

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これが半額カード

お値段年間185CHF(2023年現在)2013年ごろは165CHFだったのに値上げされていた。ちなみに継続の場合もう少し年単価が下がる。

持っていれば正規運賃の半額で旅行ができます。

185CHFで年間半額だから、チューリッヒ−ジュネーブ間を2往復すればほぼ元が取れる計算である。

熊太郎は滞在中迷わず申し込んでいました。

一部の登山電車にも半額が利くのでお得です。

 

次にご紹介するのは一日券。一日乗り放題券Tageskarte。

これは文字通りその日一日乗り放題になる券です。

2023年現在2等車一日券は75CHF(半額カードが必要)

今回のモントルーとジュネーブ旅行の場合間違いなく一日券の方が安い。

チューリッヒから電車で西へ

というようなお得鉃道切符&カードを駆使して旅行開始。

まずはチューリッヒからモントルーに向かいます。

モントルーはジャズフェスで有名な街だが、街はとても小さい。

駅は歴史ある建物を残しつつ透明素材を多用し、現代の使用に耐えうる改装を施してあるのは

ベルンなど他の駅と同様である。

その後レマン湖方面に数分歩き、路線バスに乗ってシヨン城へ。

天気はイマイチ

雨が降らないだけ良かった。

スイス国内 言語の境界について

チューリッヒから西方面、ベルンからジュネーブ方面、あるいはバーゼル方面に行く電車のアナウンスは、

1.ドイツ語(チューリッヒはドイツ語圏だから)

2.フランス語

3.英語

3は観光客向け、そして外国人比率20%超のスイス、熊太郎のような英語が唯一頼れる言語の人向けであろう。

まずは自動音声で車内に響き渡るのだが、驚愕なのは、車掌もちゃんと3カ国語でアナウンスをすることだ。

凄まじき言語能力。どんな脳みそしているんだ。

きっと頭の中にCPUが3つも4つもあって、瞬時に言語を切り替えているんだろう。

 

「線路に立ち入るな」の表示。ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語の4カ国語の表示

逆に言うと日本の多言語能力の貧弱さを痛感する場面でもある。

海に囲まれていてほぼ日本語で済んでしまう日本国と、周囲を大国(ドイツ、フランス、イタリア)に囲まれていて、地続きで交流している国の環境の差が生んだ違いであろう。

ドイツ語圏ではドイツ語の駅の番線表示も、

フランス語圏に入ると表示がフランス語になる。

そしてこの地図で示している街Biel/Bienne(ビール/ビエンヌ)

ここがドイツ語とフランス語の境界の街。

西行きの列車内のアナウンスがここで変わる。

1.ドイツ
2.フランス
3.英語

の順番が、

1.フランス語
2.ドイツ
3.英語

になるのだ。

そして乗客もフランス語を喋る客が次第に増えてくる。

多言語能力はすばらしいが、多言語国家を支えるコストもバカにならないよね。常に数言語表記しないといけないしね。

これ、スイスの通信最大手スイスコム。日本のNTT(ドコモ)みたいなもんです。

言語選択、ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語(ロマンシュ語はマイナーなので普通選択肢にない)から選ぶ。これ普通。

駐在者にとって英語があるというのは大変助かりますが、

家具のイケアスイスは今でこそ英語対応しているが、2013年当時はドイツ語、フランス語、イタリア語しか選択できなかった。

アップルスイスは確認したところ2023年時点でもドイツ語とフランス語しかない。

これは英語主体の熊太郎にとって痛かった。

もうグーグル翻訳を駆使して理解するしかなかった。

シヨン城

スイス国内の言語の境界線を越え、フランス語圏に入る。

チューリッヒからローザンヌ経由でモントルーへ。

モントルーからシヨン城まではバスかローカル鉃道で最寄りの駅まで行けるが、今回はバスでシヨン城に向かった。

中はこんな感じ

たぶんここは台所

中世の人たちはよくこんな所に住んでいたものだ。夏は涼しいだろうが冬はメチャクチャ寒いだろうに。

当時お城は修復中。滞在中たくさんの教会や鐘楼が修復中であった。きれいな写真が撮れず残念。

お城をバックに写真撮影している子供騎士を発見。

実はこれ、城で売っているんだよね。「騎士セット」みたいなの。

天気も回復してきた。シヨン城を離れ再びバスに乗りモントルーを通過し、ヴェヴェイ(Vevey)の街まで行く。

Vevey

ヴェヴェイはレマン湖のほとりにあるリゾートタウンである。

ここで軽くお昼を食べ再び電車に乗り、ジュネーブへ向かう。

ヴェヴェイ駅では蒸気機関車のイベントが行われていた。

これ、博物館鉃道とでも言うのでしょうか? 歴史物の車両を走らせている鉃道線です。

この時はタンク機関車2両が鉃道ファンの前で試走!?していました。

ヴェヴェイ駅。駅から世界遺産のラ・ヴォー地区のぶどう畑が見えるよ。でも5月だからあまり見栄えが良くない。

ヴェヴェイの街を軽く散策した後、再び電車に乗りジュネーブに向かう。

ジュネーブ

レマン湖に沿って電車は進み、レマン湖に沿って世界遺産のぶどう畑は続く。

スイスのワインははっきり言って日本で聞かないと思う。

それもそのはずスイス国内で消費されてしまうので輸出に回らんそうだ。

スイスワインがレアということで探される方もいらっしゃると思いますが、熊太郎的には固執せずスペインやイタリア、そしてボルドー、ブルゴーニュのワインの方が良い気がする。特に赤はね。白はイケるのもありますよ。実際白ワインの方が多く見かけます。

さてそんなワイン産地を通り抜け、辿り着いたはジュネーブ・コルナヴァン駅でございます。

駅のサブタイトルであるコルナヴァンってなんかカッコイイ響きです。

同じスイスなんだけど、表示は全てフランス語。見慣れた大手家電屋とかスーパーもフランス語。不思議な感じです。

スイスの通貨はスイス・フランである。その補助通貨の呼称がドイツ語圏とフランス語圏で違う。

ドイツ語圏ではラッペン、フランス語圏ではサンチームなのである。

そんな事を考えていたかどうか今となっては覚えていませんが、

ジュネーブのシンボルの一つ、大噴水に向かって歩き始める。

大きな橋を渡って繁華街の方に向かうと熊太郎にとってそこは映画の世界。

「黄金の7人」という映画をご存知か?1960年代のイタリア映画。

テーマ曲はとても有名。

このオープニングの映像はなんとジュネーブなのであーる。

ここで主人公の泥棒一味は銀行に眠る金塊を盗もうとするのです。

結局ジュネーブは着いたのが夕方になってしまったので夕飯を食べたくらいであまり観光せず、この日帰旅行は終了となりました。

旅のまとめ

今回の旅は冒頭申し上げた通りスイスに住んでいる熊太郎一家が日帰りでドイツ語圏のチューリッヒからフランス語圏ジュネーブを旅した話でしたが、皆さんにおかれては途中ローザンヌとかモントルーとかに一泊することをおすすめします。

独自 オススメ評価
★★★★★★★★☆☆ 8 アクセス  →チューリッヒから電車で3時間弱。東京から大阪に行くようなモンかな。

★★★★★★★★★☆ 9 シニア向き  →いわゆる街歩きですから苦にならないと思います。
★★★★★★★★★☆ 9 天候に影響されない度 →まあ街歩きですからね。

★★★★★★☆☆☆☆ 6 楽しさ   →多様な言語が存在する国というのが学べますね。
★★★★★★★☆☆☆ 7 スイス観光度 →やっぱりスイスは山に行ってこそ、と思います。

熊太郎は日帰り旅行しましたけど、皆さんは山岳地域への観光とのコンビネーションで旅程を組まれると良いと思います。

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