フランス ヨーロッパ旅

2012年にモンテカルロラリーを観戦しに行った話 その1

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マントンを起点にモンテカルロラリー観戦へ

以前このブログにマントン訪問記を書いたのですが、マントン訪問の目的はズバりモンテカルロラリー観戦でありました。

マントン訪問記はこちら。

今回は、その大目的であったその「モンテカルロラリー」の観戦記になります。

モンテカルロラリーの開催時期は1月

ラリーモンテカルロは通常毎年1月に行われます。伝統あるWRC(World Rally Championship:世界ラリー選手権)の中でも最も歴史のあるラリーであるモンテカルロ。2012年時点で80回目。第一回目が1911年ですからね。100年前からやっているわけですよ。

スイスに住んでいた熊太郎。こんな時しか観に行けないだろうと計画したわけであります。でもね、1月の欧州は例え南フランスでも山岳エリアは雪が降るのですよ。モンテカルロラリーで画像検索すれば結構な数の雪のシーンが出てきます。

雪のラリー観戦ってとてもじゃないけど外様の熊太郎は難しいなと思っていたのですが、ラッキーにも2012年は暖冬で雪は降らず気温も10度越えという暖かい気候。天は我、いや熊に味方したって感じでした。

まずは前日に下見

ということで観戦に先立ち前日に初めてフランス本土で借りたレンタカーに乗って山岳エリアへ下見に行きます。初めてフランスでのドライブ。知らないことだらけで、結構ハプニングに遭遇します。たとえば一部の高速区間は有料で料金所があることを知らず、わずかなユーロの小銭しか持っていなくてヒヤヒヤもんだったり、表示板が日本と逆、つまり高速道路の看板が青で一般道は緑(日本は逆だよね)だったりとね。ちなみにスイスは高速の表示は日本と同じ緑で、高速は都度料金取られません。

写真左の標識のとおり高速は青い看板。これはニースとは違う場所の写真だけど。

そんな初体験をしながら、徐々に運転に慣れてくる熊太郎。まずは事前に調べておいた翌日のラリーコース方面へ。

マントン(Menton)近くで高速を降り、後はひたすら山を登って行く。Sospelを越えたあたりから道は険しくなりMoulinetを過ぎ、そして念願のCol de Turini、チュリニ峠へ。ここはもう自分の中の聖地ですよ。過去のモンテの覇者、ロールやバタネン、オリオール、トイヴォネンが激走した道を今、熊太郎は走っている!

しかしこの険しい峠道でも日本のようにちゃんとしたガードレールはなく、石を1、2段積んであるだけ。こりゃコースアウトしたら死ぬな。そんなことを考えながら右へ左へ走っていると後ろから古いフランス車が。ベーシックグレードのPeugeot306ってな感じの。それがまた速いのよ。どんどんこのレンタカーに迫ってきます。そのオンボロプジョーの運転席を見れば地元のおばちゃんってな感じ。ひえぇ、、おばちゃん速い。

もう限界、と道を譲る負け犬、いや負け熊な熊太郎。。フランスが偉大なるラリードライバーを多数輩出する理由がわかった気がします。

チュリニ峠への看板とレンタカーとして借りたSeatのLeon

標識には「チュリニ峠」の表示が。もう聖地ですよ!

ニース山中のどっか。今思えばもっとたくさん写真撮っておけば良かった。。ポカポカ陽気でした。

ところでレンタカーだけど、この頃からずっとレンタカードットコムを利用しています。ネットでは賛否あるみたいだけれど、自分はトラブルは皆無です。

地元のおばちゃんに煽られながらも堪能したラリーコース運転。もちろん運転を楽しみながら明日のラリー観戦スポットのロケハン。

心配なのはどこへ行っても峠道だから駐車するスペースなんてないんだよね。

有名と思われる峠の宿Hotel les Chamoisに入って聞いてみた。

店内に入ると何人かの客がいて、何か飲む?みたいなフランス語を話しかけられ、エスプレッソを頼む熊太郎。突然訪問したアジア人熊太郎はもう完全アウェーでした。

とりあえず強引に英語で駐車場の話をしたものの、店員はホテル宿泊客向けの駐車場しかないとのこと。

そんな心配を抱えながら峠を降りていく。まぁ街に行けばなにか情報あるかも、と気持ちを切り替えまずはホテルへチェックイン。

マントン市街で情報収集

最大の目的はラリー観戦だが、もう一つの目的は「the Mediterranean」、地中海ですよ地中海。

Booking.comを駆使してSea viewの部屋があるホテルを探した結果見つけたのが、このホテル。

2泊で170EURでした。ちょっと中心部から離れていたけれど、充分徒歩散策圏内です。

駐車場を聞いたら隣の駐車スペースに泊めてね、だって。フリー。結構アバウトね。

とりあえず荷物を置き、人口3万人の街マントン散策です。この時午後4時。ここのツーリストオフィスで貴重なラリーモンテカルロのコース案内図を入手。これでなんとかなるなと思いました。

その夜、入手したラリールートからSS15(スペシャルステージの略)を観にいくことに決定。だいたい15時半頃使われるコース。これなら時間に余裕があるな。


この地図の左上、Lantosqueからスタート、ゴールは右下のLuceram。B地点で観戦。

いよいよラリー観戦当日

前日スーパーU(メジャーなスーパーマーケット)で購入したサンドイッチやサラダ、飲み物などをリュックに詰め込み、朝食後いざ出発。

SS15は15時過ぎのスタート故、時間はちょー余裕なんだけど、駐車するのに時間がかかるだろうと早め早めの行動。観戦場所へのルート検索をしたらニース近くまで戻ってそこから山に入った方が近いことが判明。。なんだこれならわざわざマントンなんかに泊まらなきゃ良かったよ。とブツブツ言いながらSeat Leonをドライブ。

土曜日だからか道はガラガラ。山道もガラガラ。ここまで車が少ないと本当にラリーをやるのだろうか?という気になってきます。でも予定の場所近くになるにつれて増えていく車。少し安心。

さて、こうなると次の不安は駐車場。でも結果として無問題だった。ラッキー。ラリー走行区間手前に警官がいて、見通しの良い道路脇に路駐しろと促されます。早く来た分だけ観戦場所に近い場所に駐車できるので、まさに早起きは三文の徳。それでも観戦場所まで2kmくらい歩いたけどね。

 

さすが欧州と思ったのは、たくさんキャンピングカーが停まっていることだった。前泊組もたくさん。いくつか出店もあって、高まる雰囲気。おー楽しみじゃ。

この写真の上の方の道路、観戦者の車がいっぱい。

しかし到着したのがお昼前だったからそこから4時間がただただ待ち時間。。。暇です。

ポカポカ陽気だったので、ピクニック気分なのですが、これが「雪のモンテ」だったら凍死していたかもな。。

とりあえず持参した食料で腹ごしらえ。さすがフランス!当地の人はフランスパンを小脇に4、5本抱えて場所を確保し、同じく持参したワインと共に昼飯食っちょるよ。これも文化ってやつやね。日本のおにぎり弁当に値するんだろうなぁ。と出来合のサンドイッチを食べながら感心。

あとはただただWaiting。日本人、というかアジア人は自分だけ。ドイツからやってきたグループとは英語でコミュニケーションしたものの、現地の方々は田舎だからか英語話しそうになかったな。

ちなみに現地にトイレなんてあるはずがありません。みんな林の中で用を足しています。だから奥の方にいくとトイレットペーパーが。。。まぁそんなもんでしょう。ラリー観戦なんて。結構ガールフレンド連れて観戦している若者がいましたが、女子はどうしてたんでしょうかねぇ。

場所柄イタリア人とフランス人が混ざります。当然応援合戦。イタリア人が歌を歌う横でフランス人がブーイング。

いよいよスタート

さて日暮れ前の4時頃、まずコース確認の車がやってきます。謎のプジョー205がテスト走行。皆結構な歓声をあげます。

その後黄色いルノーメガーヌがサイレン流しながら走り去り、いよいよ開始の合図。高まる緊張感!

暫くすると遠くから車の爆音!?が。もちろん一番目は前評判どおり前人未到の9連覇(この時は8連覇)を成し遂げたセバスチャン・ローブ(Sébastien Loeb)だ。Red BullカラーのCitroenDS3がやってきた!

 

 

ホント一瞬。でも大興奮。

この後、数分おきに車がやってきた。少し違うところから観戦

全部の車が過ぎ去ったのがだいたい17時過ぎ。たった1時間ちょいのために丸一日費やした訳で、ラリーに全く興味のない御仁はニース海岸やモナコに行った方がマシと思われるでしょうが、俺はもう大満足。人生100の夢の1つを達成したね。

2012年はこの日の夜、この同じコースでナイトステージが行われたんだけど、さすがに気力なく帰りました。

ここからが大変。まず、終われば皆お家に帰る訳で、停めた車をUターンさせるのに一苦労。そして峠の一本道は真っ暗。街灯なんてありません。自分自身がまさにナイトステージです。本気の山下り。数珠つなぎになってつづらおりの道を下っていったのでした。

 

翌日はモンテカルロラリー最終日。ゴール地点のモナコに向かいます。(続く)

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