2025年、中国駐在中に訪問した都市を語る。
2025年9月に中国東北部に行った話 3回目は満州時代の建物を探しながら長春の街を散策した話です。
前回の話はこちら。
満州時代の長春(新京)の様子
中国東北部を旅するにあたり、関連資料を探していたらこんなビデオを見つけました。
新京当時の街の様子を説明した映像。
このビデオを参考に現在どのような状況なのか街歩きをしました。
南広場
毎度のことだが、Googlemapsだと中国の地下鉄が表示されない。よって徒歩ルートで表していますが、偽満皇宮博物院から地下鉄で一つ目の東広場駅で下車し、南広場に向かう。
上のYoutubeビデオのナレーションによると南広場を斜めに通っている「勝利大街」は昔金融街だった。

地球の歩き方の地図によると南広場の周辺は当時の日本人住宅が残っている。
このレンガ作りの建物かな。(確証はありません)

これは南京大街と長江路が交わるところにあった建物。
昔の神田須田町あたりにこんなデザインの建物があったような気がする。

横にはこのプレートが貼ってありましたがこれ以上の情報はありませんでした。
90年前くらいに作られたのかな。建物の扉の部分です。

南広場に到着

南広場のロータリーに歴史文化街区の説明がありました。
「かつて南満州鉄道 長春区間において金融と商業が最も盛んであった地域。歴史的建物が集中し、多様な建築様式、良い保存状態、歴史的な特徴を示す典型的な地域であり、高い文化的価値を有する。広場、放射状の道路、格子状の街路が独特で魅力的」って書いてあります。

この薬局の建物も「!!」とくる様式

もともとは早川歯科医院だったそうです。立派な建物の歯医者だ。

早川歯科の反対側にある通信会社のビル

このアールの形状も「!!」だよね。

「5G」の看板があります。

ドアもいい感じ

このダブル手すり。神田の看板建築にもこんな仕様があったなぁ。

ちょっと中に入ってみた。スマホ売っています。

入り口のアール

壁面の崩落とかはないです。神保町とかに剥がれる危険があるのでネットかけてある建物があったよね。これはレンガだから剥離することはないのかな?

ここは「偽満新京電話二分局旧址」だったそうですよ。

勝利大街の北側にも歴史を感じる建物。これは建物には歴史的建築銘板は貼られていなかった。

その先の建物、これも「!!」だよね。正面の丸柱なんてさ。

金融機関だったでしょ?って感じプンプンです。

横浜正金銀行だった建物です。今の三菱UFJ銀行だね。横浜正金銀行は上海にもあったし、満州主要都市にも支店がありました。

銘板が貼ってあります。下の説明地図を見ると対象となる建物が複数書いてあるんだけど、横の建物も正金銀行の建物だったのかな。
吉野町の面影は。。なし

吉野町とはYoutubeによると新京随一の繁華街だったそう。南広場と人民大街を結ぶ道路がその繁華街エリア。
実際に歩いてみたんだけど当時のままのものなんてなかったです。写真はその吉野町の一つ北側の歩行街。
一旦旧ヤマトホテルに戻り荷物をパッキング
ここでだいたい11時前。チェックアウトの時間になったので部屋から荷物を出しクロークに預けて高鉄に乗る16時半まで引き続き街歩きをする。

とりあえず駅前のマックでブランチ。朝から何も食べていなかった。
市内観光後半
この後はレンタサイクルを駆使して下の地図のルートを巡ったんだ。
時間があればもっといろいろ歩いてみたいんだけど、時間に限りがあるので主要な部分を中心に回る。左下のゴールのところにライトレールが走っていて、そこから宿泊ホテル(長春駅前)に戻るプラン。

人民大街ー昔の中央通りを南に向けてレンタサイクルをこぐ

国防会館だった建物です。

旧関東軍司令部、いまは吉林省の共産党の施設になっています。名古屋城をイメージした日本風の瓦が目につきます。これは東側入り口でメインは南側にあります。メインは警備の人がいて写真撮りづらい。

旧址銘板を撮影し忘れてちゃったんだけど、この建物は日本の企業も入っていた旧康徳会館。三菱が作ったもの(施工は大林組)

東本願寺の周囲は工事中でした。

人民広場のロータリーまで来ました。昔「大同広場」と呼ばれていたところ。

中国工商銀行(建物には中国人民銀行とある)の建物、昔満州国中央銀行の建物でした。Youtubeの映像にも出てくる姿と同じ!

中央銀行の隣は満州電信電話株式会社だった建物。

いまは中国の通信会社China Unicomが使っています。

人民広場から南西方向にある新民広場にある病院。昔は「満州総合法衙」といういわゆる検察庁だったところ。
長春に残された路面電車に乗ってみる
この辺りで自転車を手放す。中国では路上の決められた場所であればどこに乗り捨ててもOK。この辺りのショッピングモールで覇王茶姫のアイスミルクティーを飲んで水分補給。
事前に調べておいた路面電車に乗ってみようと乗り場へ向かう。乗り場は長影旧址博物館近辺。

古い車両が展示してありました。

現在54路線と55路線の2路線が営業しています。数字からして地下鉄ができる前はもっと路線あったのかな?

乗り方は地下鉄同様QRコードをかざして乗車するだけ。

プラスチックの椅子が中国らしい。

昔は日本製の車両も走っていました。
ホテルに戻って、ハルビンへ移動準備
この後は地下鉄と同じ運行形態をしているライトレールに乗り換えて長春駅方面に戻ります。

これは新しい。蘇州でも見かける地上を走る路線です。

旧長春ヤマトホテルから長春駅を撮影。ホテルで荷物を受け取り高鉄でハルビンに向かいます。

長春駅から地下鉄で長春西站に向かいます。今回乗車する高鉄は北京から来る列車で、乗車駅は長春駅ではなく長春西駅。高鉄あるあるで速い高鉄の発着は新しく作られた郊外の駅であることが多い。
他の駅同様セキュリティーを通過して中に入ります。

列車待合エリア。

中国東北グッズが売られていました。欲しいものなかったけど。

G3513 16:41発の列車に乗ります。

チケットチェックというかパスポートチェックしてプラットホームに入ります。
高鉄の乗り方はこちらを参照

発車してしばらく走るとこの景色が続く。長春は昔「豆の都」って言われていたそうなので、大豆畑なのかな?それともとうもろこし畑?
いまは高鉄ですけど、90年前の旅行者も「特急あじあ号」で車窓に広がる耕作地を見ていたんだろうなと思うと感慨深い。
この時季節は9月だからこんな景色だけど、冬は一面銀世界、もしくは凍てつく平原が見えるんだろうなと想像。
長春の街の感想
近代史好き、建物好き、縁のある土地で昔に思いを馳せるのが好き、という方はものすごく楽しい街だと思います。
熊太郎もとても楽しかった。あと一日滞在してもっと建物を見てまわりたいと思いました。
街自体はホコリっぽいイメージの街。そこここで工事されていたり瓦礫が残っているような街。史跡として認められた建物は別として街の再開発とともに雑多な日本の建物も消えていくのかもしれませんね。

